大多賀峠からは三桁県道を避け、かなりの遠回りをして鳳来パークウェイの駐車場に入った。有料道路が無料になったが、無料だった駐車場が有料になり、駐車場は18時に閉門するという。

GW前の平日の昼下がり、いくらかいただろうハイカーはもう下山している時間である。ここの標高は約470m、実質的な登山口になる標高450mの鳳来寺本堂までは15分の遊歩道になる。

本堂の左手を回り込んで登山道が始まるが、しっかりした登山標識はない。小沢を渡り、鉄階段の急登が始まる。標高差で100m近いだろうか？手持ちの地形図は二万五千の基本図を一万分の一に拡大した縮尺にもかかわらず、等高線が混んでいるので、原寸では濃密な等高線になっているだろう。

550m程まで登ると、斜面を巻く道になり、右手の急崖から、シャワー滝のように落ちる水を浴び？ると岩場の下に小さな勝岳不動のお堂になった。駐車場からの遊歩道で山の中腹に見えたお堂なのだろうか？この巻き道から一登りをすると621mに位置するという奥之院に到着したが、お堂の前にはロープが張っており、立入禁止になっている。ここまでは下山者一人と会っただけである。

緩い尾根が急登に変わると間もなく684mの表示のある鳳来寺山の山頂に到着した。鷹打場から東照宮への下山路はここから分かれているが、「自然観察路」となっている。最高点の瑠璃山への標識は無く、「展望岩3分」という小さな標識がある。

地形図ではここから下りはほとんど無く、しかも最高点への標高は後11mだ。確か10分の距離だったと思う。ザックを置き、ペットボトルだけを持って出発したが、カメラをザックにしまったままだったので、ここから20分余りの間の写真は無い。

ほんのわずか下り、木の階段を登り、展望岩の右を回り込んで進むと一登りで瑠璃山山頂であった。南アルプスなどは朝より更に遠望が効かず、近くの低山はさっぱりわからない。時間も押してきている。早々に下山にかかろう。

鳳来寺山の山頂でザックを回収し、自然観察路となっている天狗岩方面の道に入った。50mほどの急な道を下ると地形図では630m～640mの間に5ヶ所ほどのわずかな高みのある平尾根であるが、これが結構な曲者。それほど鋭くはないものの岩稜の細かなup downが続くのだ。説明によるとこれらの岩は2000万年前～1500万年前に海底火山で生成された石英安山岩や松脂岩(しょうしがん)であるという。

松脂岩とは余り聞きなれない名であるが、流紋岩質の「ガラス状火山岩」であり、黒い黒曜岩とは異なり、松脂(まつやに)の樹脂状の光沢をしたものだという。

ここが天狗岩か？と思いながら越えて行った先に天狗岩があり、更に鷹打場の標識までは30分以上かかってしまった。

ここからは、今まで来た岩尾根の下を戻るようにして巻き下る道になり、大きな尾根を回り込むともう東照宮は近い。東照宮の下から、左に行くべきを右に行ってしまい、遠回りをしたやっと駐車場に辿り着いた。閉門までは未だ1時間以上あるものの、車はほとんど無く、係員は、「この車の人がやっと帰って来たのか!」という表情で、車のナンバーを見て、「これから帰るのですか？」と心配していた。「否、今日は泊まりです」と言うと安心をしたようであった。

さあ、これから湯谷温泉近くの「鳳来ゆーゆーありいな」で汗を流し、夕食を調達して「道の駅・鳳来三河三石」での車泊である。ちなみに名の三石はミツイシではなく、サンゴクであるという。米三石のサンゴクである。これも家康ゆかりの命名であるという。

　
　〇　2023年4月27日　　〇　天候　快晴

鳳来パークウェイ駐車場12.50鳳来寺本堂13.05勝岳不動13.40～45奥之院14.04～09鳳来寺山14.26～30瑠璃岩14.42～45鳳来寺山14.53～56天狗岩15.33～37鷹打場16.11～14東照宮16.40駐車場16.58

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　2023年の山へ

駐車場先から　中腹にお堂が	鳳来寺本堂	あちこちに行場が
岩場から滲み出した水が	勝岳不動堂	621m　奥之院
684m 鳳来寺山	下山路から	これも
途中の岩頭	天狗岩まで意外に長い	下山地は東照宮