八甲田にはGWに二度訪れている。一回目は1985年であった。午前中に酸ヶ湯に到着し、雪上にテントを設営し、ロープウェイで田茂萢の山頂に立った。快晴の大展望の中、南方に真っ白なピラミッドが見えた。「あれは何処だ？」「行動範囲にあるのか？」それが櫛ケ峯。高田大岳などを一日先送りして翌日、山スキーで早速、櫛ケ峯を目指した。山頂直下の大斜面を喘ぎ登ると、眼下の十和田湖と山という字の形をした岩木山が出迎えていた。

二日目、再び田茂萢に立ち、赤倉岳、大岳、小岳から高田大岳に登り、谷地温泉への大滑降をしたものだった。

二度目は1991年、やはり田茂萢から八甲田温泉へのツアーコースなどを辿った。そして今回が三回目の八甲田になる。再度、櫛ケ峯に登ろう。


　　　　　櫛ケ峯を

緩い尾根を下り、小突起を越えると、いよいよ櫛ケ峯への鞍部に到着した。まるで高谷池から火打山を見上げているようだ。そう言えば、あそこもここも山スキーが良く似合う斜面である。

「馬鹿になって30分登ると着くぞ」と声を掛け、夫々のペースで大斜面を登りだした。スタート時間からして、我々がほぼ最後のパーティなのか、もう下山者もまばらになっている。

スキーのシュプールが正面の斜面に3本くらい弧を描いている。ここからは地形図でみるとはっきりした三角錐の山になっている。登山者の多くがルートとしている右寄り（北東）の尾根を頑張り、一旦緩んだ後、最後の尾根を登るとそこだけが雪の少ない山頂であった。

やや湿気の多い高曇りの為に津軽のシンボルの岩木山は見えないものの、南東方には十和田湖が見え、かすかに戸来岳や十和利山が望まれる。山頂東側で風を避けながら昼食にし、大斜面を駆け下っ？た。

鞍部からは、駒ケ峯経由が考えられたものの、北側の大湿地帯の雪原を抜けようとなり、1296ｍのやや東側の雪原に出た。こちらにもわずかなトレイルがある。平らで果てしない雪原を東に、東にと進むと、やや濃いトレイルに合ったものの、登路のトレイルが確認できたのは更に20分以上も歩いてからであった。

　○　5月3日　　○　天候　晴れ時々曇り

睡蓮沼9.14一本9.49〜55稜線手前10.37〜49駒ケ峯・櫛ケ峯の鞍部11.45〜53
櫛ケ峯12.22〜47鞍部13.00一本13.42〜49　1167ｍ標識14.17〜21睡蓮沼14.52

ほとんどの人達はすでに下山し、車は数台しか残っていない。今頃は酸ヶ湯をはじめとする温泉に入っている事だろう。付近には我々のテントがあるだけである。

5月4日、黒石ＩＣから高速に乗り、安代ＩＣで一旦降り、七時雨山麓を走り、国道4号線の北上川源泉に立ち寄り、滝沢ＩＣから那須を目指した。部分的にはすでに渋滞が始まっている。


　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　前の山へ

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　2011年の山へ

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　次の山へ









　　　　

9時半に本隊と待ち合せをしていた睡蓮沼に8時前に到着した。付近は3メートル余りの雪の回廊になっている。

幕営場所を物色し、車道から南側にある回廊の出口の先の雪原に2張りのテントを設営し終わった頃、予定より早く本隊が到着した。

すでに山スキー、スノーシュー、ボーダー等の多くの人が南八甲田に向かっているが、車の数からするとやはり北八甲田の方が多いのだろうか。

湿地帯？の上の雪原をやや右寄りに先行者のトレイルを追っていく。日差しは強く、早くも雪は腐り気味ではあるものの、歩きにくい程ではない。

小さな尾根地形を登って行く度に北八甲田の硫黄岳〜大岳〜小岳〜高田大岳の稜線が迫りあがっていく。

最初の急登が終わると、高いオオシラビソの樹の頭に大きな赤旗のある地点。多分、地形図上の1167ｍだろう。

この先からトレイルは思い思いに分かれている。我々はやや右寄りのスキーのトレイルを追い、1時間20分ほどで、ほぼ稜線に達した。

駒ケ峯の白い斜面が目の前になり、我らがトップはその斜面を直登して行くが、軟弱な我々は南面を巻きながら稜線に戻ったが、意外に長いトラバースを考えると、駒ケ峯を経由した方が早かったのかも知れない。